やこぺってぃ

怒りのやこぺってぃのネタバレレビュー・内容・結末

怒り(2016年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

だれも悪くない。
そう、感じた映画だった。

だれが正しくて、何が間違いなのかも、わからない。

「悔しいとか、ムカつくとかそういうことじゃない、そんな簡単な言葉で片付けられるものじゃない、本気なんだ、本気で怒ってるんだ。でも、その本気を伝えることが一番難しいんだよね」
辰哉の言葉が、胸を打った。
すごく、すごく沁みた。すごく、沁みた。その本気を伝えるのに、私たちはどれだけの犠牲を払えるのだろうか。その本気の裏で助けられるひとはいるのだろうか。
それでも、私たちは言葉では語り尽くせないその本気を物語にしていくんだろうな。

犯人は、本気を伝えた。どうしようもない、どうしようもなく、疼いて疼いてた気持ちの最後の一滴。本気を伝えた。

信じること、疑うことは表裏一体。
この、人間の機微をこれだけ克明に刻みつけた映画に、鳥肌がたった。
やこぺってぃ

やこぺってぃ