ぬぬ

シン・ゴジラのぬぬのレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
4.8
高いハードルを軽々と超えた真・怪獣映画。
特に序盤の衝撃度は凄まじく、冗談抜きで今年最大級。あまりに目を疑う光景で心臓はバクバク。
アニメ臭いキャラ付けで登場した石原さとみには現実感に戻されて残念だが、最後までよく‘‘日本’’の制約を貫き通してくれた。

特に素晴らしいのは、これはヒロイックな‘‘1人’’の人物による対ゴジラ映画ではなく、日本全体が関わる問題に立ち向かう‘‘日本人たち’’の対巨大不明生物映画であるということだ。

アニメ出身の庵野秀明の色が強い、めまぐるしいカット数とカメラワークや、アニメよりのモンタージュとリアリズムな脚本は、エンタメでもドキュメンタリーでもない奇妙な映画になっているのは間違いなく、ゴジラという題材にはあまりにマッチしすぎた。
これを大規模な製作費で通した東宝にアッパレ。

鑑賞の際の注意を言うと、全員ジェシー・アイゼンバーグかよと言いたくなる早口会話劇と、読ませる気のない素早い字幕の情報量が120分の映画とは思えない程に頭に入ってくるので、鑑賞にはかなり体力を使います。気持ち的に映画2本分。2本立てよりはゆっくり1本に絞るのが良いです。

商業的思考を取り除いたら現代のゴジラはこうなるのかと。
あと情報は極力遮断しましょう。
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