鹿江光

シン・ゴジラの鹿江光のレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
4.5
《90点》:虚構が現実になる日。
これが特撮か?僕の知ってる特撮じゃあないっ!それくらいの傑作。恐ろしいほどに、傑作。全身が震え上がる。とてつもない脅威に対する、今の日本国の力が皮肉たっぷりに描かれている。
ゴジラという存在も圧倒的で、絶望的だった。どうしようもできないとは、まさにこのこと。
閣僚たちの動きや発言、各国の姿勢などが、淡々と描かれながらも、ものすごい緊迫感を纏って、話が進んでいく。どこまでも生々しく、会話の節々に説得力がある。だから、フィクションであるはずの世界に、我々はひとりの市民として、大きな畏れを抱えながら、ゴジラの行方を追ってしまう。
役者陣の使い方も凄まじく、こんなチョイ役にあの人が!この人が!の連続だった。そして皆さん、よくもまぁ舌が回ること。素晴らしい限り。
物語が終わっても、残るのは不安のみ。虚構が現実になったとき、日本国は果たして今の仕組みで機能するのかどうか。そこに安寧は無い。
幼い子どもが観たら、間違いなくトラウマ&失禁ものでしょう。特に最初のゴジラは。
あー、面白かった!
鹿江光

鹿江光