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シン・ゴジラのschemixのレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
4.3
長いよ。(笑)まずは再び日本でゴジラ映画を企画してくれた東宝に感謝。さらに特撮の未来を鑑み、庵野氏に製作を依頼してくれた事にまた感謝。おかげでこんなに多くの人が熱狂し、様々な場で様々な手段で語っている「ゴジラ映画」を目の当たりにできて、とても幸せ。昨年、蒲田でのロケ情報〜タイトル・スタッフ・キャスト発表と、徐々に全容が見えてワクワクの毎日だった。今年に入ってからはTwitterで「シン・ゴジラ」と検索しない日はなかった。正直、特報と予告1を見てもあんまりピンとこなかったが、庵野氏自ら編集した予告2の1カットごとの芸術的な美しさに否応なしに期待値マックスに。初見時は「火炎」のくだりで感じた事のないカタルシスと絶望感に、涙でスクリーンが歪んで見えた。CGを選択した事で、いわゆる着ぐるみ特撮に引導を渡した感も否めないが、あくまで1つの選択肢であって、次作は着ぐるみの可能性もあるという事か。空撮を多用した実景との合成は、この上ないリアルさで、こんなカットが見たかったの連続。鷺巣詩郎の音楽も、エヴァっぽさはさておき伊福部節とは異なった趣で、伊福部昭が参加できなかった’84ゴジラを凌駕している様に思える。終始漂う「エヴァっぽさ」に関しては、もうこれはエヴァやナウシカの前日譚だぐらいに思えてむしろ潔いし、ネルフっぽい巨災対の面々もキャラ立ちしていて痛快だ。ラストの解釈について続編への伏線にも見えるが、個人的には、今回「シン・ゴジラ」はお話として語りきったものと考えているので、次作はまた誰かが、新しいイマジネーションで作りあげてもらいたい。山崎貴でも、黒沢清でも、入江悠でも誰がやっても楽しみだ。ただ、今回これだけの質と実績で、次作はやりにくいのではなかろうか。とにかくここまでの盛り上がりを見せている本作、映画ファンならずともマストの1本だ!まだまだ齧っても味が出そうだし、上映中あと3回は行かなくては。
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