本当にゴジラが出現したら
どうしよう？！？！
と思わせる、リアルな演出が凄かった。
一点目が怪物を見上げるように撮影しているところ。あたかも自分がその街に住み、ゴジラの襲来を目の当たりしている感覚に陥いってしまう。その従来の特撮映画にはないリアルさが、我々の心を鷲掴みにする。ゴジラが！ゴジラがやってきた！
そして慌てふためく霞ヶ関。国家存亡の危機にもかかわらず、とにかく責任をなすりつけあう重役達が総理に問う。「総理、どうしましょう、総理！」
そんなのわかんないよ〜私に聞くなよ〜と困っている自分にハッとした。いつのまにか自分が総理大臣になったかのような気分で鑑賞していた。いや、そう思わせる演出に見事にしてやられたのだ。
その演出こそ、一人一人の顔がアップになりこちら側に問いかけるように撮られているシーンだ。観客とスクリーンの向こう側を結びつけ、共にゴジラを退治する手段を考えさせる。
会議の内容はかなり難しく正直理解できないところも多々あったが、それでもなんとか観客が置いてけぼりにされなかったのはあの演出があってこそだろう、たぶん。
以上二点が特に気になったすごいポイント。映画って結局作り話の世界で、正直なところあー面白かったーくらいで終わりがちやった。でも、今作のきっとテーマであるリアルさが故にほんまにゴジラがやってきたらどうしよう。またゴジラが象徴しているであろう大地震、原発事故が起こったらどうやって生き延びればいいんやろう、て真剣に考えることができた。
人の意識を変化させるのってすごい難しいことやし、それが出来てしまうのが映画の大いなる魅力の一つ。もっといろんな映画にであって、価値観や感性いろんなものにふれて、もっと豊かな人間になれたらなとか思っちゃうなー。
