センカン

シン・ゴジラのセンカンのレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
4.8
生物にあるまじき対空防御である。

今更ながら感想をば。シンゴジ後ゴジラシリーズを振り返って行くと、怪獣島の可愛いゴジラ、ヒーローとしてのカッコいいゴジラ、色々な顔を持ってるゴジラさんな訳ですけど、扱い自体は最初の畏怖を持たれるゴジラに近い気がしますね。
でも共通して言えるのは、怪獣が暴れるパニック映画になってはならんって事すかね。どんなに凶悪でもある意味で神がかり的な崇拝される面が彼にはあって、今回はその畏怖を遺伝子レベルで解明した事で、人を遥かに超える存在として尊敬しつつ、でも倒さなきゃダメだよねって方向を感じます。
今までのゴジラとかけ離れた部分が多いですけど、この図式で登場させれる怪獣ってやっぱりゴジラだけなんですよね。
(ただただ怖い方向に特化した白目ゴジラさんも居た気がするけど…チラッ)
 能力として特筆すべきは、環境に合わせて進化していく拡張性。劇中でも飛翔の可能性を示唆していましたが、既存のゴジラの形態に限定されずにどこまでも想像できる余地があるのがSF好きには堪らない設定ですね。分裂や特化型、はたまた某アニメ版みたいに超巨大版になるとかも妄想が膨らみます。
今回は米軍の攻撃に対応した対空攻撃として熱線を使ったり、数に応じて更なる進化を遂げたりと闘いの中でも進化を続けていきました。戦略としてガス欠を狙って長期戦を仕掛ける手段もありそうですが、やればやるほど新しい進化を誘発する可能性もあって、考えさせる時間を与える事が怖い。そこを考慮すると今回の作戦は合ってるんでしょうなー

ゴジラの話書き過ぎた…、今作が評価されてる魅力はやはり現代日本の人間達が本気でゴジラに対応する様を描いた所。お役所の面倒くさい所、外交の圧力、日本政府の悪いとこを吐き出させつつ、最期には人間の力を結集させてゴジラに立ち向かって行く様が面白いんですよね。

庵野監督の独特な演出や特撮の表現も見所、エヴァ感強いけど合ってるから違和感ない。BGMもテンション上がりました。

ps:怪獣の後始末と並べて感想をあげる意地の悪さである。

点数内訳
世界観:4.5
ストーリー:5
キャラ:5
音:4.5
映像:5
スコア:4.8
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