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シン・ゴジラのnaeのネタバレレビュー・内容・結末

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

この作品を鑑賞し、歴代ゴジラを未鑑賞であることに恥ずかしさすら覚えました。

一見ただのパニック映画ですが、この国の様々な問題を映し出しています。
縦割り行政の弊害。東京一極集中の欠点。「想定外」に対する後手対応。各国に対する敗戦国的対応。
政治の問題に限らず、倫理的なテーマや皮肉も多く扱われています。
ゴジラによる被害拡大を防ぐために、自衛隊の弾を国民に向けることは正しいか。原子力によって生まれたゴジラを原子力で倒すことは正しいか。ゴジラを倒すためとはいえ、日本に対する3度目の核兵器を自ら容認するのは正しいか。
正解はありません。登場人物たちは、理想と現実の間で答えのないトロッコ問題を強要されます。

日本にゴジラは現れませんが、それに相当する事態はこれから起こり得ます。大規模カルデラ噴火、南海トラフ大地震、他国からの武力攻撃、大規模テロなど。そうした事態に直面した際、劇中や3.11時の「想定外」は通用しないのです。
この作品には、日本人として考えさせられることがたくさん詰め込まれていると思います。
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