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カフェ・ド・フロールのmatsuのレビュー・感想・評価

カフェ・ド・フロール(2011年製作の映画)
4.2
「ダラス・バイヤーズクラブ」などのジャン=マルク・ヴァレ監督作品。2011年カナダ映画。

これは評価分かれそうですが…

自分には大きくハマりました!! 心揺さぶられる良作映画と感じました。

映画内に流れる神秘的な音楽(シガー・ロスなど)も耳に残っています。「音楽がこの映画の中心である」と監督自身が言ってます。

時空を越えた2つの物語が終盤、見事に重なり合いました。不思議な話でしたが最後までどうなるか気になって仕方がなかったです、楽しめました!!


〜〜以下ネタバレあり〜〜

1つ目の物語は現代、カナダが舞台。2人の娘を持つDJのアントワーヌは2年前に知り合ったローズと激しく愛し合っている(同棲中)。離婚した前妻キャロルは夫が若い女性に心変わりした事を今だに受け入れられずにいる。娘たちも母親の精神状態が心配で父親に嫌悪感を持っている。

娘たちだけでなく、アントワーヌの両親もアントワーヌとローズの仲(結婚を考えている)を認めたくない。ローズは自分のソウルメイトであるとし、アントワーヌは周囲の反対に屈せず早く結婚したがる。

もう一方の物語は1960年代、舞台はパリ。ジャクリーヌはダウン症のローランを女手一つで育てている。息子を溺愛している。ローランに習い事をたくさんさせて知能を高めさせたいし、普通学校にも通わせている。ダウン症の人の平均寿命は25歳なので、一日でも長く息子を生きさせる事が彼女の使命である。

ある日、ローランの学級にダウン症のヴェラが転校してくる。ローランとヴェラは会った瞬間から、お互い強く惹きつけられて抱きしめ合う。この日から2人は片時も離れたくないと思い始める。やがて仲が良すぎる2人の行動が問題視される。母親のジャクリーヌも、ローランが自分よりもヴェラを愛することに強く嫉妬する。周囲によって2人は引き離される。

(現代の話に戻る)前妻キャロルはアントワーヌを諦めきれない。精神的にキツくなり、夢の中でうなされる。ある日から、ダウン症の男の子が夢の中に出てくるようになる。夢の中でローランとヴェラの引き離される物語が鮮明になる。

霊媒師に夢の話について相談すると、アントワーヌとローズはローランとヴェラの生まれ変わり、と言われる。更にキャロルはローランの母親ジャクリーヌの生まれ変わりである、とも伝えられる。

(1960年代になり)引き離しても引き離してもローランはヴェラに会いに行ってしまう。見かねてジャクリーヌはローランとヴェラを車に乗せて、わざと猛スピードで自動車事故を起こし、無理心中を図る。全員が死亡する。ローランとヴェラの愛は終わりを告げる。

前世で結ばれなかったローランとヴェラの強固な愛を夢の中で知り、キャロルは思い悩む。キャロルはアントワーヌとローズの結婚を許さなければならない事を悟る。

ラストの場面、皆に祝福されたアントワーヌとローズが幸せそうに結婚式を行っている。

キャロルは心から2人を祝福する。母親の無償の愛のように。

というストーリーでした。

最後の最後まで、メチャクチャ惹き込まれました。スピリチュアルな内容ですが、自分にとってはとても斬新なストーリーでした。非常に良かったです!!
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