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道成寺のYKのレビュー・感想・評価

道成寺(1976年製作の映画)
4.0
川本監督のこれまでの手法が結集した傑作。特にライティングによる陰翳や能面が生む表情の妙は、人形たちにさらなる生気を宿らせる。怒った清姫が靴を脱ぎ捨てながら疾走し息を上げる場面は、まさに人形が生きているよう。また、安珍と清姫の内面を表現するような奥行きのある撮影やセルに描かれた炎や水との合成には、主観的な画と客観的な画とのギャップが表れていておもしろい。湿っぽさと乾いた感情が同居する、特異であり極めて日本的なアニメーション。
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