大手メゾン、クリスチャン・ディオールのオートクチュール発表会を追ったドキュメンタリー。
どちらかと言えばアンドロジナスな雰囲気のジル・サンダーから、フェミニンの代表のようなブランドに移籍したデザイナーのラフ。彼と彼の周囲のスタッフ、そしてお針子たちの奮闘ぶりがすごい。
ショーで注目を浴びるのはデザイナーとモデルだが、実際にデザインを立体化させるのは優れたお針子たちの技術あってこそだ。
にしてもスケジュールもつめつめだし、顧客の応対もせねばならず、デザイナーからの要求も山積みで、かなりのハードワークである。余程の忍耐力がないと過労死しそう。
その努力の結晶であるドレスたちのなんて美しいこと。発表会でラフやスタッフたちが涙目になって喜ぶ気持ちがとても分かる。
巨大ファッション産業はある意味究極の無駄とも言えるのだけど、平和であることの証でもあるのだろう。