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ディオールと私のTigのレビュー・感想・評価

ディオールと私(2014年製作の映画)
4.0
それまでプレタしか手がけていなかったラフ・シモンズ。

確かジョンガリが差別発言で解雇されて異例の抜擢を受けたと記憶していますが、就任から初のオートクチュールコレクションに至るまでの道程を彼自身とディオールに在籍するお針子を始めとした従業員達にスポットライトを当ててドキュメンタリー映画化した本作。

印象に残ったのはコレクションの完成を急ぐラフと、クチュールメゾンが故にコレクションの完成を急ぎつつもあくまで顧客優先主義にたつお針子勢との間の摩擦。どちらもめちゃくちゃ多忙でストレスフルな様子が伝わってきます。編集でうまく馴れ合いな感じに誤魔化していないギスギスした人間模様や各人の切迫した感情が生々しい。
それ故に最後のコレクション発表の瞬間は本当に美しく感動的ですらありました。
ときおり出てくるムッシュも象徴的で良くも悪くも、いまだ彼の存在、功績の偉大さに捉われているのが今のディオールというブランド、組織なのだと感しました。

結局ラフも退任してしまいましたが、自身のプライベートブランドで頑張って欲しいです。

アルノー氏等ファッション業界の大物からドナテラ・ベルサーチら有名デザイナーも多数登場するのでオシャレやモード好きなら必見だと思います。
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