なおこちゃま

ミストレス・アメリカのなおこちゃまのレビュー・感想・評価

ミストレス・アメリカ(2015年製作の映画)
4.5
ノア・バームバック、ここに極まれりな一作。彼の紡ぐリズム感とフローに載せて、グリニッジの邸宅で本作は山場を迎える。ノア・バームバックファンにしてみれば、待ってましたと舌なめずりしてしまうシーン。招かれざる客は多ければ多いほどいいね(もっとやってくれ)。このスピード感と、タイトルにネオンライトが灯る着地は、次作の「マイヤーウィッツ家の人々」以上に好き。

主題はシスターフッドであるだけでなく、アーティスト気質の互いを映し鏡にするもの。弾けるようにキュートなグレタ・ガーウィグ(ブルック)は一見トレイシーとは正反対の人間だか、二人の根底は通じていて、「1.5メートル左の外側に居る」。ブルックのハイトーンボイスとトレイシーの柔らかでハスキーな声の対比を聴いているだけでも心地良い。

結びはこれ以上ないってほどにスーパークールなのでメモ。
They were matches to her bonfire. She was the last cowboy, all romance and failure. The world was changing, and her kind didn't have anywhere to go. Being a beacon of hope for lesser people is a lonely business.