ねんまに

肉体の門のねんまにのレビュー・感想・評価

肉体の門(1988年製作の映画)
3.9
女性の視点で描かれる敗戦直後の日本は新鮮で、米軍支配下の当時の風俗が生々しく描かれている。

1トンの不発弾に守られた廃墟ビルに出来るはずのないパラダイスを作ることを夢見る幼さと、ヤクザにも屈さず仁義を貫いて生きていこうとする逞しさの対比が、敗戦により突如パンパンとして生きていくことを余儀なくされた少女の危うさをうまく描いていると思った。

きらびやかな衣装のカラーを生かした飽きさせない絵作りや、ジャズとダンスのシーン、厚い化粧とすっぴん姿の使い分けなどうまいと思える部分が多くあり、そのせいか驚くほど古臭さを感じなかった。特に、ラストシーンの固定カメラが一番好きかな。
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