B姐さん

皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇のB姐さんのレビュー・感想・評価

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「手にはAK-47 肩にはバズーカ 邪魔する奴はぶっ殺す」

メキシコの麻薬カルテル、マジヤバいっす的な歌を「ナルコ・コリード」というらしい。そーいうのが今メキシコじゃ大ヒット。ステージではマシンガンやバズーカを手に持って歌う。パーティーやコンサートでは大合唱。死ね殺せ首をはねろ、みたいな歌詞がアンセムになっている。

地元のギャルたちは「ちょーヤバい!麻薬ギャングと付き合いたい!色々言われるけどこれがわたしたちの“文化”なのよ!」みたいなことを言ったりする。
「まじか」と思ったのもつかの間、その「ナルコ・コリード」にのって踊る、麻薬犯罪の警察官を見て「狂っているが“文化”かもしれん」と変に納得してしまった。

「いつか俺たちのナルコ・コリードは次のヒップホップになるぜ」とプロデューサーのオジさんがのたまっていたが、安田大サーカスのクロちゃんのような小太りぽっちゃりシンガーのルックスに普遍性があるか知らないし、歌詞はともかく曲は「KALDI」とか「TACO BELL」にかかってそうなものなので今後どうなるかわからないが、『コラテラル』とか『悪の法則』とかを観て感じたことが顕在化したような「資本主義社会のディストピア」からは、暗澹たる未来しか見えない。

@イメージフォーラム(5/10/2015)
https://youtu.be/rzod0gFjHIw
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