chisato

スラッカーのchisatoのレビュー・感想・評価

スラッカー(1991年製作の映画)
4.2
カメラが出会い頭にすれ違う人々にころころシフトして主役が変わっていくスタイルでテキサスの日常を描いている。大きくも小さくもない、何でもない街で人々がそれぞれ思うことを話しているだけなのに、なぜか退屈にならないのはどこかに統一感があるから。
スラッカーといえば、00年代のアパトウ映画でのセスローゲンやジェイソンシーゲルが中年にさしかかるのに目標もなくダラダラとした生活を抜け出せない男たちを演じてプチブレイクを果たしてるけど、アパトウ作品に出てくるような所謂ジョーク満載なスラッカー映画ではない。この映画に出てくるテキサスのスラッカーたちはどこか知的に自分たちの哲学を話す。(相手が聞いてるかどうかも気にせず)そのくせみんな口癖はI tell you what...で始まりI don't know..で締める。結局みんななにが正しいか誰が正しいのか何てわからない。日常で私たちが私たちがすれ違う日たちのように彼らの会話は時に盗み聞きされ、そして流れていく。ビフォアシリーズしかり、Boyhoodしかり、このグダグダ話スタイルで90分以上の映画を作れるリンクレイター、ある意味すごいよ!
chisato

chisato