このレビューはネタバレを含みます
映画を観てこんな気持ちになることは今まであまりなかったんじゃないかと思う
正直言って、観ている最中は、どこか入り込めなかった。入り込めなかった。ん?と思った。でも映画の手が伸びてきてる感じがあって、何か引っかかってはいた。主人公の男が支柱や床に耳をすますところ、片腕のない先輩、後輩の女の子のママ、あのおばさんのみなぎり、弁護士の嘲笑。
終わって考えて、自分の冷たさにぞくっとした。
見知らぬ俳優たち、駅員さんとかコンビニのバイトの人とかと、有名俳優とは違って見え方は同じ。私は思ってた以上に視野が狭いんだ。寄り添おうとしないんだ。聞く耳を持たない。意図的にカメラがグーっとよるところ、あれぐらいしないと私はだめなのでしょうか。悲しい。
ものすごく、観客と主人公たちのの線引きがしっかりした、ということは、観客に居場所を考えさせる、映画でした。
映画が観客をじっと見詰める、問いただす、みたいな感じ。
これは本当に凄すぎた。
役者さんたちの「見える」お芝居、素晴らしい