ななな

恋人たちのなななのレビュー・感想・評価

恋人たち(2015年製作の映画)
3.7
主人公が映画のラストで言う、ある一言が困難を乗り越えた、もしくは乗り越えようとしている人にピッタリの言葉だと思った。
この映画に出てくる人たちの問題が実際にそんなに簡単な言葉で片付けられるものじゃないことは承知だが、一通り足掻いたあとにフッと肩の力を抜いてみてこの言葉を言えるようになったら、気づいたときには苦難を乗り越えているのかもしれないなぁ

この作品を観ている最中、何度も「いたたた…」と思ってしまった。
おばさんが恥ずかしがって自分が描いた絵を取り戻そうとする姿とか、主人公の区役所でのぞんざいな扱われ方とか、弁護士が友人の自分への態度の変化に気付かないところとか。
けどそういう、こそばゆい感覚こそが皆がそれぞれが体験して、でも決して他人には知らせないように努めている姿なのかもしれない。
他人のそういう姿はできれば見たくないものだし、自分のものも見せたくないけど、必死に生きてるって多分ああいうこと。

余談ですがこの映画の前評判を聞きすぎて、みんなが良いと言ってるから良いのか、自分で本当に良いと思っているのか分からなくなりました。笑
自分の感覚ぐらいは大切にしたいものです…鑑賞前の映画のレビューの見すぎもほどほどにしよう。

(21.12.2015#76)
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