岡ゴズ

恋人たちの岡ゴズのレビュー・感想・評価

恋人たち(2015年製作の映画)
4.2
テアトル新宿にて。これも2015年年末に。
この映画、各エピソードの時折交差する時系列は結構めちゃくちゃ。脚本も読んでみたのだが、やはり綺麗に構成された作品ではない。というか、ぐるりやハッシュとかもそう。橋口亮輔は、登場人物の感情でシーンをつないでいく。
つまりは、橋口映画の人の魅力や活力が発する引力に、観客は魅了されるのだと思う。彼の個人的な体験が作品をそうさせるのかワカラナイが、ヒトのおかしみにも苦しみにもきちんと、フィクション!だからという口上に逃げず向き合う。それこそ死にそうになりながら向き合う。だから、「成る!!」そう、福本伸行の名著、天〜天和通りの快男児〜に登場する、天のようにただひたむきに「成る」ために、つたない理を捨て、追い求める。だから「実る!!」
ロン!!

演出に対する感想は、素人役者の素人らしさみたいなものを逆に生かす。みたいな薄ら寒い演出ではなく、きちんと芝居をつけていて、脇を固める演技派俳優さんたちと比べて見劣りしないのが素晴らしいと思った。主演の篠原篤さんがどんどん良くなっていくのを見ながら、「貴様、成った、な」とニヤリ。
とにもかくにも黒田大輔さんみたいな人が1人でも身近に入れば、それは幸せなのだろう。
ちなみに「殺しちゃだめだよ〜殺しちゃうと、あなたと話せなくなっちゃうでしょ〜。ぼくは〜あなたと〜もっと〜話したいと思うよぉ〜」
は、個人的な本年度の流行語大賞!!
まじ傑作!!
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