〝絶望の先に希望がある〟
生き辛さを感じながらも懸命に生きる三人とその周囲の人々の物語。誰かの人生を覗き見ているような作品でした。
息をするのが苦しかった…こんな絶望私は経験したことがない。居心地の悪い中、どこまでも闇は深まる。
「私って〇〇じゃないですか〜」とよくわらない形容をする人、「これ運命なんっす！」と何でも運命感じちゃう人、「私昔〇〇だったのよー」と過去の栄光にすがりついちゃう人、全然わかってないのにわかったフリして「パーっといこうぜ！」とか言ったり、上手く行かないことを他人に当たりちらす人…あぁいるいると作品に妙なリアルさを感じる。滑稽だけど幸せな気分にはならない。作中でも言うように色んな種類のおバカさんでいっぱい。でもみんな必死なんだ。
終わりにすることは簡単なようで難しい。川の流れのように身を任せれば何処かに運ばれるのかもしれない。でも、その度にどこかで体をぶつけては傷つくのかな。
〝あなたと話したい〟と寄り添える人になりたいな。手当てって手を取り合うことなんだなぁと改めて思った。人によって傷つけられても人は人によって救われる。いいバカになりたい。
最後には心に小さな明かりが灯る。
万人受けする作品ではないし、誰にも共感できないかもしれませんが、素敵な作品でした。
〝それでも人は生きていく〟
