SHUMPE

恋人たちのSHUMPEのレビュー・感想・評価

恋人たち(2015年製作の映画)
4.0
底のない悲しみや理解不可能なものに対して、大多数の人は腫れ物を触るように扱うか、別世界の存在として関わりをなくそうと距離を置いていく。

作品を通して、そんな現実社会をまじまじと見せつけられた。

医者や役所が、主人公へ冷たい応対をするシーンがある。あまりにも辛すぎる主人公の境遇が明らかになるまでは、「そりゃそうでしょ」と、その応対に疑問は抱かなかった。社会がもつ弱者への認識とは、こんなものなのだ。哀しいかな、自分も含めて…。

だけど、終盤、ささやかではあるが、希望を感じさせる印象的なシーンも散りばめられており、世の中、捨てたもんじゃないね…主人公たちよ、がんばれ!って気持ちになれた。

重いテーマが根底にはあるが、シュールで面白いシーンも多く、本当に映画に引き込まれた。これは傑作。
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