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恋人たちのshunのレビュー・感想・評価

恋人たち(2015年製作の映画)
4.2
皆、気持ちを吐露してかつ前よりは少しいいほうに人生が進んでいくのかという終盤など、物語の展開としてはそんなにうまくないかなという気もしたが、そんなとこみてんじゃねーよと思うくらい、徹底的に人間を描いてると思う瞬間がいくつかあると思った。他の人が書けないようなミニマルなとこというか、かゆいところに手が届く脚本だった。
テーマは絶望からの再生とか人生の希望とかではなく、絶望してる人が出てはくるが、怒ったり悲しんだり喜んだりすべてを失ったように感じた人がそのときみせる、
ああこの人こういうことしそうだとふとこちらが思う姿、思ってしまう姿、つまりリアルな人間ではないか。
どーでもいいとこがリアルでも仕方ないが、物語を前に進めるくらいの重要さのとこで、映画の中の世界を通り越してあー、こういう行動ありそー!って思うことがこの映画で僕は多かったが、意外とそう感じる映画あんま見てないなと思って、まじかと見終わったあとびっくりした。ここ最近良かった映画ってロマンチックすぎて体が震えるとか、独特の世界観に浸り満足して良かったなって思ってる映画が多かった。俺そういえば○○のリアルな〜とかが売りの映画で凄いと思ったり感動した記憶があんまないな。だからかこの映画みたあとまず素直にいい映画だったと思ったが、どこがいいかパッと出てこなかったしな。恥ずかしいが今まで映画をみてきてあんま感じたことない余韻、あくまで物語的リアルさの余韻を味わった。
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