主人公(ウジン)の境遇はどう考えてもあり得ない設定なのに、実際あり得てしまいそうな、ごくごくリアルな情景に思えてしまうのは、淡々とテンポよく彼の日常を映し出しているからなのでしょう。
ごく当たり前に起こっている非日常。
その裏にあるテーマは「愛とはなにか?」、もっと深くよむと「差別とは?」といったところに繋がるのでしょうか。
ウジンのように愛に素直になれるだろうか。
イスのように誰かを愛せるだろうか。
作り手によっては、よくありがちな重い雰囲気の映画になってしまいそうなテーマですが、音楽・映像・様々なモノのセンスがよく、それらが作品に良い軽さを与えています。最後まで苦しくならずに観ることが出来ました。
個人的にウジンの幼なじみがツボでした。
ああいう友人がいると、人生にポジティブになれるんだろうなぁ。
良い作品でした。