かじドゥンドゥン

タイム・チェイサーのかじドゥンドゥンのレビュー・感想・評価

タイム・チェイサー(2013年製作の映画)
3.0
主人公のエロルが幼いときに空港で物理学者の父を見送って以来、その父は失踪。母は、父がよその女と駈落ちしたと考えて、精神的に病み、ついには自殺してしまう。

大学で物理学を専攻しているエロルは、どうやら父がワームホール理論にのっとって1946年にタイムスリップし、アインシュタインに会おうとしたが、強盗に襲われて死亡したらしいことを突き止める。そして大学教授である祖父(母の父)からは、父を連れ戻すべくワームホール理論の完成目指して共同研究しないかと誘われる。たしかに父が生きて帰れば、母も死なずに済んだと考えたエロルは、天才でありながら不真面目だった生活を改め、交際相手とのデートもそっちのけで研究に耽る。しかしやがて、彼女から妊娠を告げられ、もし研究が完成して過去に干渉した場合に、二人の幸せなシナリオは上書きされて出会いさえしないかも知れないがそれでもいいのかと問い詰められたエロルは、研究を放棄し、彼女との幸せな家庭を選択する。

彼女が死産。自分の人生のすべてが、あるべきではないシナリオをたどっていると考えたエロルは、研究に復帰し、ついに1946年で父と再会。父がたどるであろうその後を力説し、アインシュタインに会う前に自分と帰還して欲しいと説得するが、家庭生活と研究との両立がモットーで、いずれにせよ研究の完成を断念できないと言い張る父。エロルはやむをえず、父の前で自分の頭を銃で貫いて自殺。「帰らない父を連れ戻すためにタイムスリップした息子が父を説得できずに自殺する」という歴史を塗り替えるために、父は帰還することを決意し、妻と幼いエロルが待つ(自分にとっての)現在に帰宅する。