東京で一人暮らししているライターのヨウコ。墓参りのために実家・高崎に帰り、そこで両親に、自分が妊娠していることを打ち明ける。子の父親は台湾人の恋人。ヨウコが台湾で日本語を教えていたときの生徒で、いまは工場経営に関わっているが、マザコンなので、彼と結婚するつもりはないらしい。しかし子どもは自分の手で育てると決めている。
他方、ヨウコは不気味な相貌の赤子の夢を見たらしく、そのことを近所(東京・お茶の水)の古本屋店主ハジメに相談。それはきっとゴブリンじゃないかという話から、その謎解きが始まり、一冊の絵本にたどりついた。ヨウコはその本を、生みの母が熱心に信じていた宗教の広い施設で読んだ記憶がある。(生みの母はその後、出ていった。今の母親は育ての母)。
新たに生まれて来る命を受け入れる決意を固めると同時に、あるいはその決意を固めるために必要な手続きとして、自分の過去や出自、母の存在と向き合い始めるヨウコの姿が、抒情的な映像でもって描かれてゆく。
「っぽい」という形容が当てはまるような・・・。