きん

はじまりへの旅のきんのレビュー・感想・評価

はじまりへの旅(2016年製作の映画)
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森で暮らす父と6人の子ども達。学校には通わせず崖登りや狩りをさせていて身体能力が非常に高い。
焚き火の音と虫の鳴き声だけが聞こえる静寂の中で思い思いに本のページをめくる。ふいに父がギターを弾くとそれに合わせて子ども達も次々とメロディーを奏でる。冒頭10分くらいは素敵な暮らし方だなと思った。
が、しかし!子ども達に万引きさせちゃだめだよ〜邦画「万引き家族」がよぎった。人んちの屋根に登らせるのも危険すぎる。
子ども達は読書量によって知識は半端ないのだけれど他者との関わり方や距離感が身に付いていない。これではいけないと気づき、父に不信感を抱き始める。
父は子ども達のことを想ってこれまで一生懸命教育してきただけに胸を痛める。

学校の教育全てが正しいとはいえないけれど、学校でしか学べないことも沢山あると気付かされた。本来ヒトは自然の中で狩りをして生きていた訳だし、そのような生活を好んで行なっても良い。だが子どもにも同じように強いるのは教育を平等に受ける権利を奪っている。世間と隔離されて過ごすと世間に出なければならなくなった時に困るのは子ども達だ。
子どもは親を選べないし、幼い時は尚更親の言うことが全てになってしまう。親の責任は重大だ。
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