母親の葬儀に駆けつけるだけのつもりが、それぞれが自分や家族を見つめ直す、転機の旅になる。
愛情深い家族の物語なんだけど、色々と考えさせられる。
何が正解で、何が幸せで、何が良い事なのか。人それぞれ価値観によって違うものだし、大人はそれでいい。
でも、子供は違う。
スタート地点を自分で選べない。
選べる頃にはアイデンティティも確立されていて、そう簡単に変わることはできない。
おじいちゃんの気持ちも分かるし、ベンの気持ちも分かる。
子供達の為に。想いは同じでも2人の価値観はあまりにも違うから、観てて歯がゆい。
8歳の娘にセックスについて聞かれ、真顔で的確に説明する親と、中高生の息子に身内の死因を曖昧に誤魔化す親と、どちらが好きかと聞かれたら、私は前者ですが(笑)これも人それぞれ。
母親の墓から、空港までの流れが、優しくて可笑しくて、すごくいい。
詳しく書くとネタバレになるので書きませんが、母親の死を暗く受け止めるのではなく、家族がみんなで一緒に前を向いている感じがとても好き。
久しぶりに、余韻の残る作品でした。
