ほたて

はじまりへの旅のほたてのレビュー・感想・評価

はじまりへの旅(2016年製作の映画)
4.0
コメディ中心でありつつも、社会派ムービー。森から都会に出た子どもたちが本当に純粋。太りすぎた人に向かって「カバみたい。」と屈託なく話すことができるのは、本当にカバみたいだと思ったから。作ってない発言が面白い。森の中で生活しながらも、自らの考え方を身につけ、主張したボウの決断が物語の核。絶対的父の意見と自分の意見を精査した末に、行き過ぎたヒッピーである父を立てつつも、アフリカ行きを決めた。とても覚悟がいる決断だ。ボウがなぜ立派に育ったのか言及する描写は少ないものの「間違えを指摘する力って身につけてる?」と監督から指を向けられてる気持ちになった。当たり前の常識って実は当たり前ではないと説いてくる本作。母の遺骨をトイレに流すシーンなど、好みが分かれる描写も多い。ただ、家族が皆、素っ頓狂な父を慕っていて、父から子への愛の結果となっている。家族に愛を持って本気で向き合うことだけはブレていけないと監督からの強いメッセージを感じた。愛に溢れた家族って素晴らしい。ボウのように開けた未来は自分で作るんだと無限の可能性も示してくれる前向きで優しい作品。
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