前フリ、長かったなあ~という映画。
地雷を扱っているのに、何故か「まだ爆発しないでしょ」という安心感がある。
よくもまあ一時間半近く、立ちっぱなしの男だけ映せたなという感想だが、意外と3分の2くらいまでは飽きずに観てしまった。
しかし、自殺できなかった後くらいから飛ばし飛ばし。
最後はあっけなく、そういうオチかいっていうスピード感で淡々と終わった。
不思議とあんまり悲しくなかった。
地雷を踏んで死んでゆくということが、大きな砂漠の中で、自然現象と同じくらい同化していて、どうしようもないことなのだという諦めの感じもあった。
地雷を踏んでしまった一人の男の様子を、地味にずっと描写したところは、作りとしては大胆で、中々できないことなのではとも思うし、中身のスカスカな上面映画よりは、骨のある真面目な映画だったのではと思う。
しかしやはり後半は飽きてしまった。
弱冠、トレイラーから勝手にハラハラ脱出劇みたいなアクションを期待していただけに、最後まで地味で期待ははずされた。
人間の死って、こんなに地味な時もあるんだなと、リアルな感じもしたし、地雷映画の中では一番ハラハラしなかった、不思議!とも思ったし、OP・EDのミスマッチなハードロック?EDM感がB級映画感も感じさせたし..
それでも無しではないというか、これはこれで有りだなと、思える作品。
途中何人かと絡みはあるものの、全体的には終始自分一人との戦いなので、カメラが男に密着している感じも集中力を上げた。
映画作品としての評価は、独断と偏見で低い方なのだが、それはあくまでも「なんとなく芸がないな」、という点での評価の低さで、実際中身としては嫌いではない内容だった。
リアルな展開なんて、本来こういうもので、ハリウッド映画のヒーローものやアクションみたいに、ばんばか助かったり逃げおおせたりするものではないのだと。
ある意味で、映画的なウソをほとんどつかない、ドくそ真面目な作品だと言えるかもしれない。
そりゃ、音楽くらいはっちゃけるよね。
男の子が可愛くて優しかった。
終わり方も変にセンチメンタルにならず、潔くてよかった。