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山の音のtoroのレビュー・感想・評価

山の音(1954年製作の映画)
3.8
われ遂に富士に登らず老いにけり

十朱久雄が「子供」の面だと言って渡す能面を杉葉子が顔にかけるとき、斎藤一郎によるきらめくピアノの音がスクリーンにかぶさる。
その響きは、自転車を走らせる原節子が一輪の向日葵を見つめている山村聰に追いつくとき、そしてのちに彼が彼女から電話を受ける瞬間にも聴こえてくる。
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