まりー

イマジンのまりーのレビュー・感想・評価

イマジン(2012年製作の映画)
4.5
視覚障害者が、白杖を使わず靴や舌を鳴らしてその音の反響で周りの状況を読み取る反響定位。

視覚以外の聴覚や嗅覚での情報に限られる彼らに大事なのはイマジン。想像すること。
声のトーンで表情を想像したり、前を歩く人の足音の変化で障害物を想像したり。

視覚ばかりに頼りがちな私たちには想像もできないほど、視覚以外の五感で色んな情報を読み取れる事が分かる。


話で聞いたか読んだか忘れたけど興味深かった余談
視覚障害者の方との旅行でホテルに泊まった時、湯船にお湯が溜まったかどうか何回も確認しに行くのを「お湯がたまった音も分からないなんて、目が見えるって不便だな」と笑われたという。


「目を向けているが、見ていない」
目の見えないイアンは言う。

彼らの感じ取れる範囲だけ映されているシーンも多く、それはとてももどかしくて同時に不安になった。でも彼らと同じように耳を澄ませてみると、普段"見て"いない新しい世界が少しだけ見えたような気がした。


ラブストーリーのジャンルに分けられていたけど、これは盲目の美しい世界を覗くことができる良い映画でした。
まりー

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