LGBTQ+の、Q(たぶん)
繊細で複雑で倒錯的なテーマだけど、瞬間的な美しさとか強さ、儚さを感じて胸がぎゅっとなる。
死んだ親友の夫の女装癖。彼は亡き妻の服を着て、ファッションを楽しむという域を少しずつ確かに越えて来て(あるいは始めから越えていたのかも)、女性として生活することに喜びを感じ始める...これだけで結構すごいんだけど、決して彼はゲイではないし、倒錯しつつも自分の男性性はきちんと受け入れている。
より難解なのは主人公の方で、親友との近すぎた距離、女装した友人への思い...夫とは至って順調だけど、始終自分の欲求はどこにある?っていう感じである種の危うさみたいなものを含んでる。
ヴィルジニアへの気持ちは友愛とか恋愛とかそんなんじゃなくて、きっともっと複雑な何かなんだろう。それを表す言葉が見つからない。
「自分らしく生きたい」と願うことの美しさといったら。どうか、お幸せに。