すばらしい。映画を観た!という感触。『イヴ・サンローラン』を観た時のようなテーマを、もっと掘り下げてストーリーと絡ませて、映画チックに映像化した感じ。
序盤は、「あれ？もしかして、『Real』っていうキムスヒョンの映画、これを模倣した？」と一瞬思うシーンがあった。
雰囲気は『黄海(哀しき獣)』に似ていた。
正直、普通に真面目にしても笑いに持っていかれそうな画づらが、こんなにも真実味がありハッとさせられたのは、役者の素晴らしさと監督、脚本家、音楽、役者陣の力量だなと感服。
涙が表情より先に落ちるリアリティ。『サイレント・ウォー』トニーレオンの、演技はワンワン泣いてるけど涙一切出ていないのと対象的で、引き込まれる。
日本のにっくき東出さんに似ていたが、役者としての本質を魅せつけられ、そんなどうしようもない類似性は切り捨てられた。
この役者なくしてこの作品なしと言える唯一無二の存在感。
そしてそれを無駄にしない他キャスティングと、脚本、撮り方、音楽、演出。
こういうのが、ザ・映画だよねと、『共助』や『VlP』『シークレットミッション』のようなバキバキアクションコメディノワールではない、アンニュイキワドイセクシーなジャンルで発見。
韓国映画の新たな魅力を知って満足。
ただ、どんなに名優でも、青ひげだけは無理笑 一瞬のシーンにしてもそこは脱毛エステ通わせて欲しかったけど、そこは敢えての生々しさリアリティなのだろうか..
日本で、三浦春馬さんがこの役をされるのを観たかった。ぜひ、生まれ変わられて、また魅せて下さることを祈ります。
というか撮りたい。
『新しい世界』他、ヤクザ検事ものでいいポジションを総ナメにしている役者さんが、今回もいいところで配置。
また、間違っていなければ『ベルリン・ファイル』でおひとよし捜査官を演じたハジョンウの引き立て役の方が今回は意外とぶっ飛んだ役でご登場。(違ったならそっくりさん)
思いきり生意気にケチをつけるとすると、意外とハイヒール履いてるシーン短かったから、せめてラストのアクションシーンくらいはサービスでハイヒールで戦って欲しかった(真木よう子みたいな女刑事がヒールで走るのと同じくらいリアルに欠けるのは百も承知だけど..)
やっぱり、ハイヒール×イケメンてパワーワードよね。
