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アリスのままでのzunzunのレビュー・感想・評価

アリスのままで(2014年製作の映画)
3.8
神経学の大学教授のリサ・ジェノバが、実際に自分が若年性アルツハイマーにかかったらどうなるのだろうかとシュミレーションして書かれたのが原作本らしい。
だからものすごくリアルで説得力があります。自分が自分でなくなる恐怖、アイデンティティーの崩壊、自分自身とは何なんだろうか、自分ならどうしただろうかとか…いろいろ考えさせ、観ているのが辛くもなります。
また、それが遺伝性でひょっとしたら子供達にも…って所は難しいですね。
『癌だったら良かったのに…』のセリフにハッとします。

劇中のスピーチシーンが一番印象深く、とても胸を打ちます。でも、ここで物語は終わりません。
若年性アルツハイマーと特殊な病にかかったアリス本人の物語でもありますが、その周りで見守る家族の物語でもあります。
だからこそ、自分が病気を患った家族の当事者だったらと思うと、誰にも起こりうる事を題材にした作品のような気がします。
クリステン・スチュワート演じる“他の兄弟とは違う次女”とのやり取りなども素敵でした。

今年のアカデミー女優賞は『ゴーンガール』のロザムンド・パイクにとって欲しかったのですが、『アリスのままで』のジュリアン・ムーアの主演女優賞受賞は文句無しの納得です!
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