「ボーダーライン」という邦題は、国境、善悪の境界、言語の違いなど様々な要素にかかっている秀逸なタイトルだと思うが、
それがチープに感じられてしまうほどの、無骨で骨太なしっかりとした映画でした。
まるでそこに自分がいるかのような没入感があって、緊迫した空気感に息が詰まりそうでした。
FBI所属、徹底した実践派というひと握りの才能を持つ主人公が、
僕らの共感を得られる一般市民目線になってしまう、恐ろしい世界でした。
たまに美しい空や景色がBGMと共に長めの尺で映され、殺伐した紛争とコントラストがあって叙情的になっていました。