ゆずきよ

ボーダーラインのゆずきよのレビュー・感想・評価

ボーダーライン(2015年製作の映画)
3.9
前情報無しで鑑賞。
惹かれるあらすじと、シリーズ化されているという情報のみ入手。

物語としてはFBIの主人公が容疑者宅に踏み込み、壁の中から残酷な死体を発見し、その犯人である麻薬カルテルを逮捕するためのチームに派遣されるという内容。
とろろそばを食べながら観る冒頭では無かったです。
そのチームは一癖も二癖もありそうな感じだが、軽快な感じとも少し違う。
とにかく話が重い。
クレイジージャーニーって番組が好きで、丸山ゴンザレスの旅にてメキシコ麻薬カルテルの事は多少知った気になっていたけれど、実際はもっと暗い現実なんだろうな。
序盤の突入シーンもそうだけど渋滞でのアクションシーンや、終盤のアクションシーンも全て息が詰まるほどの緊張感。
派手さは一切無いけれど、それ故にリアリティがあって手汗が滲む。
途中、挟み込まれる親子の日常シーンがなんなんだろうと思っていたけれど、この父親の顔だけは絶対に覚えていた方が良い。
終幕後の感想が大きく変わってくるから。

鑑賞後に調べたけど、原題はSICARIO。
暗殺者って意味のスペイン語らしい。
それも良いけど、邦題のボーダーラインの方が私的にはしっくり来た。
国境や罪と罰の境界線。
作中でも何度も分岐点がやってきて、その度にその境目を越えてしまうのかどうかで物語の展開が大きく変わってしまう。
後味が良いとは言えない終わりではあるけれど、いつだって大団円のハッピーエンドなんて訳は無いんだ。
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