ハミングバード

ディバイナー 戦禍に光を求めてのハミングバードのレビュー・感想・評価

3.7
第一次世界大戦、オスマン帝国とANZACのガルポリの戦い。当時イギリス領であったオーストラリア、ニュージーランドにとっては今でも記念日が設定される程に重要な戦闘である。正にANZAC出身のラッセルクロウ監督には思い入れのある作品に見える。原題の水源探しの名人という意味から判るように、戦争映画というよりも、大切なものを探し当てる者に焦点を当てた作品。勿論、大切なものとは家族を意味し、戦意に高揚する息子達の戦争を止めることが出来なかったANZACの親達の後悔の念とも捉えられる。他の戦争映画と違い、対戦相手である現代では自らヨーロッパであると思っている中東のトルコ兵士へのリスペクトも見られ非常にフェアな描写も好感が持てた。少しファンタジーの様にも見えるが父と息子の絆や人間の温かさは決して戦争等では消え失せるものでは無いという反戦映画かもしれない。日本人には馴染み深いオーストラリアやトルコの歴史を知るにも良い作品かもしれない。
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