なぽり

グレイテスト・ショーマンのなぽりのレビュー・感想・評価

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)
3.3
違いを祝福する、そんな映画があっていい。
キアラ・セトルさんが話していた言葉がふと頭をよぎりました。

ストーリーがシンプルでメッセージが明確です。全身全霊でテーマを伝えることに重きを置いて作られていて、熱量が圧倒的でした。
その最たる表現としての音楽とダンス、ミュージカルシーンは最高で文句のない5つ星です。動く人数が多い分カメラのカットが多く、長回しが少ないのは残念だけど、そこを差し引いてもどのシーンも素晴らしいです。

ただ、なんだろう。
ストーリー展開が早く、登場人物たちの関係描写を結構省いているのでヒューマンストーリーを求めると辛いです。
私は主人公がサーカス団員たちと関係性を築きあげていく過程をもっと観たかったし、ユニークな彼らが各々背負ってるストーリーにも興味があったのでふわっとしたままなのが寂しいです。
あくまでもバナーさんの物語なので仕方ないのかもしれません。
積み重ねていく時間や言葉、思い出の上にしか生まれないような人と人との空気感や絆を作り上げていくところがもっと描かれていたら嬉しかったなあと思います。
ラストシーンはもう少し先まで観たい派です。
なぽり

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