一部酷評もむべなるかな。正直、映画として「ラ・ラ・ランド」と比較して語るレベルには残念ながらないと思います。
葛藤や対立そして和解が割と簡単に消化されてテンポ良く進むのですが、その分ドラマ描写に厚みがなく、キャラクターの深みもなく、結果作品のテーマやメッセージも弱くなってしまっているように思います。
しかし、それが分かっていても自分は本作を楽しんだクチですw
だって、これ完全に作り手の確信犯でしょう？
劇中に登場する批評家にわざわざセリフで語らせてるんですから。
真の芸術でなくとも、虚構やペテンだとしても、たくさんの人を楽しませ、幸せにする事には意義があるのだ、と。
そこを理解して、敢えてノッかって楽しんだもの勝ち。
たとえ吹き替えでも、スタントを使ったダンスであっても。
ザッツエンターテイメント。
ちょっと皮肉っぽい物言いになってしまいましたが、それでもThis is Me や From Now On をはじめとした楽曲クオリティとパフォーマンスシーンは文句無く素晴らしいです。
特にThis is Me は マドンナのExpress Yourself 、アギレラのBeautiful、ガガのBorn This Way の系譜に連なるすべてのはみ出し者へ捧げられたアンセム。この曲を産んだだけでも、この映画には価値があると思います。
