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グレイテスト・ショーマンのkのレビュー・感想・評価

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)
4.1
感情の高まりは歌やダンスとなって、物の見事に表現してみせる。それは初めから最後まで、私の心を鷲掴みにして離さなかった。
P・Tバーナム氏は今まで誰もやった事のないショーを開催する。それは、観客の笑顔とは裏腹に、世間からは芸術ではないと非難されてしまう。では、本当の芸術とは何なのだろうか。

この映画の登場人物には、一人ひとりテーマがあり、それが交錯していくのが1つの見所だった。その中でも、「自分にとって大切なものと、世間の評価、求めるもの」というテーマがあったように感じた。
既存の、他人が考えた物差しによって評価されたものは、明確で、分かりやすい。「貧しい家の者は下品で卑しい」
「皮膚の色や体の作りが違うから気持ち悪い」
そうやって差別する側の人間は、差別される側の人間の本質を知ろうともせず、心無い事を言う。ただ自分がそう教えられたから、周りの人が言っているから、それが正しい事だと思って疑わない。そんな思考を伴わない言葉の暴力に晒され、なすすべも無く打ちのめされてきた者達。そんな無力な彼らの悲しみや怒り、逆風に打ち勝とうとする強さが、この作品を根底から支えている部分にあると思う。
ストーリーの流れは至ってシンプルで、うまく行き過ぎだよ、と言いたくない部分もあった。しかし逆にそこを削ったからこそ、この作品はエンターテイメントとして成功していると思う。
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