「エンターテイメントとは人々を幸せにするものだ」
この映画にはペテンがあふれている。
何もかもが非現実的でリアルじゃない。動物も人間も本物でない。
だが観客を幸せにする。この映画は、この映画が言及しているエンターテイメントそのものを体現している。
頭が固く、古風で、堅苦しく、嘘偽りの無いものが好きな人間には向いていない。この映画が幸せにしたいのはそういう人間ではない。
夢を見たい人、自分自身を生きたい人、飽くなき野望に身を任せたい人、歌と映像が創り上げる虚構の世界に没頭できる人たちを、この映画は幸せにしたいのだ。
自分は頭が固く、古風で、堅苦しく、嘘偽りの無いものが好きだ。この映画についても批評したい場所は沢山ある。
ただ、自分の耳が、目が、感情がそれを止める。YouTubeでアレンジを聴きあされと、カラオケで歌えと、ブルーレイを、サントラを買えと訴えてくる。
批評するなんて誰でもできる。好きになったものについて好きだとありのままに言う方が難しかったりする。
さて、堅苦しいレビューを書くのはここまでにして、サントラでも聴くか。