はちろく

グレイテスト・ショーマンのはちろくのネタバレレビュー・内容・結末

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

あまりにも好きすぎて映画館で2回見た。1800円を2回払うの全然惜しくなかった。むしろ2回ごときでは足りぬ。
美しい映像、キャッチーな歌、無駄がなくサクサク進むストーリー、全部良かった。

でもサクサク進みすぎる故にちょっと味気なく感じたり、バーナムが金儲けしたいだけのクズに見える瞬間も正直あった。「SING」とストーリーが似てる気がしたのだけど、正直SINGのあのコアラは終始クズみを感じて私は全然好きじゃない。
でもグレイテストショーマンのバーナムは、成功に固執する幼少期の体験や、「フリークス」と呼ばれる人達を出演させたい金儲け以外の理由、失敗して「家族のため」という初心に立ち返るまでのプロセス等が、サクサクではあるけどしっかり描かれていると思う。

上流階級に認められたくてサーカス団員を遠ざけ、無理な公演計画で破産し、奥さんに出ていかれる様子は確かに第三者から見ればクズみが深い。「映画だから最後に成功したけどクズみがあるよな」って思う気持ちもほんのちょっとだけある。そんなこと言ったらクズじゃない人間の方が少ないけど。

でも、なんだかんだでバーナムは、差別されて深い傷を負っていたフリークス達に手を差し伸べた。彼らの身体的特徴に驚きはするけどすぐに受け入れるし、メンバーの個性を引き出して、誇りを持って舞台に立つ所まで導いた。フリークスの女性にリンゴをもらった過去があったにしても簡単にできることじゃないと思う。
あの世界で団員達がバーナムを信頼して、バーナムが失敗しても「サーカスが家だ」と言いながら戻ってくるには、充分すぎる理由だったんじゃなかろうか。
「あんたはペテン師で金儲け目的で私達を集めたかもしれないけど、それでも私達にスポットライトの光と家族をくれたのよ」と言うレティの台詞が超沁みる。

そしてその団員達、特に髭女のレティ、バーナムに背を向けられた時「ここで皆やめちゃうんだろうな」と思ってたら、「これが私だ」と震えながら歌って、雪と罵声が降る中を行進して、サーカス小屋でショーを始めた。レティが立ちすくんでもトムが歌う。団員全員下向かないで歌う。びっくりした。きっとめちゃくちゃショックで不安でムカついて悲しかっただろうに、それを共有して立ち向かえる仲間と誇りができたんだなって思うと嬉しくて泣いた。観客と一緒にウォーウォー歌ってるとこめちゃくちゃロックだった。

確かにサクサク進み過ぎだし、実際のP.T.バーナムとはだいぶ違うらしいけど、むしろ史実に忠実にすることをやめて「夢を追いかけるのは誰のためか」という話にしたのはものすごく私は良いと思う。
これだけ濃い内容を100分ちょっとの上映時間にまとめるのはすごいと思う。その気になればもっと問題提起やダークサイド描くこともできたろうに、それをせずスッキリとまとめたの、私は好き。

あと歌がどうしようもなく好き。
最初の「ウォーオーオオオー\ダンッ/」ってとことバーナムのキレキレダンスが好きすぎて困る。なんだあのシルエットの良さ。ヒュー・ジャックマンの脚の長さなんなんだ。
全曲メロディも歌詞も歌声も良すぎ好きすぎ、特にフィリップとアンのデュエット、洋楽のヒット曲ですって言われても信じる。
あとサーカス始めたときの曲はガガ様のボーンディスウェイになんとなく似てるなと思った。好き。「元いた世界には戻れない、目を開けて夢を見てるから、だから生きよう」という歌詞も好き。
そしてディスイズミーとフロムナウオン、歌詞もさながら映画みが深すぎるワークショップの映像見たからかなおのこと好き。もう言葉がない。好き。

他にもまだ言いたいこと沢山あるけど好きすぎて言葉がなくなってきた。終わる。ブルーレイ早く出てほしい。できればメイキング映像たくさんつけてほしい。


ちなみに私が一番好きなのはノリが良すぎ且つ酒注いで渡すのが上手すぎるバーのマスター。わざとらしいヒゲが胡散臭くてグレイテスト。好き。たのむ早くブルーレイ買わせてくれ。
はちろく

はちろく