まずターミネーター感は全くないです(原題:horrorvision)。ジャケ画像のロボ?は最後の方に一瞬出てきますが、色味も含めてもっと銅細工っぽかったです。
そして目指していたのはむしろ『マトリックス』なはず。目指していた、は言い過ぎかな…憧れていた、かな。プロットにあたるものは実質なさそうです。ストーリー?あったかなぁ…
「俺なりのマトリックス」をやりたいという先走った気持ちの断片をいくつか繋ぎ合わせようとして、でもその断片を具現化しようにも繋ぎ合わせようにも諸々追いつかないまま、誰も止めなかった結果たどり着いてしまったhorrorvision。
主人公のデズは売れない脚本家って設定なんですが、終盤まで完全に死んでたこの設定を叩き起こして、唐突に映画愛を語るシーンがありまして…要はデズは監督か脚本家、作り手自身なんだと思われます。すごく残酷なものを観た気分。ルーカスに、タランティーノに、ウォシャウスキー姉妹になれると思って、無策で突っ走ってしまった人間の見た仮想現実。この荒野には、本当に何もなかったんだ。壮絶。
…悲しくなってしまったので、好きなシーンを挙げて終わろうかな!
・壁からパソコンのコードがうわぁーって溢れてきて人に襲いかかる、80年代SFっぽい冒頭のくだり。
・モーフィアス的なポジションの謎の男が、手のひらサイズの虫型ロボットに繰り出す低い回し蹴り。
・トイレで用を足そうとしたデズのデズからコードがうわぁーって溢れて、なんだ夢か…ってなるとこ。
邦題だけターミネーターシリーズ、ぐだぐだと何本か続けます。ターミネーターだけにな!