チョルスたちを探し追いかける複数の人物・グループが有機的に絡まないのは肩透かしだったし、コメディ部分の演出が(単純に好みじゃなかったのを差し引いても、)話全体のテンポを落としていたような気がして…>>続きを読む
映像としてはどうしたって真相を語り切ることに終始してしまっていて、じっくり心を傾けられる小説でこそ輝く素材なんだろうなぁ。
どこまでも堤真一の映画だった『容疑者Xの献身』と比べると、最後まで芯が不透>>続きを読む
僕はあの人に勝ちたい…
ここまで駆け足だったっけ。
さらにスピード感を増し、押し寄せるエピソードのジェットストリームアタックの狭間で死にゆく者たち。
誰かの遺志と誰かへの意思を背負って、戦う理由と>>続きを読む
正に“キャラクター”とテンポの良さでぐいぐい引っ張る前半と、話をまとめにかかるにつれぐだぐだ感が露見する後半とのギャップ。
いわゆる「リアル」を追求した時に、じゃあ一番興奮する映画ってスナッフフィル>>続きを読む
自己紹介が終わっている「ドラマ→劇場版」の利を活かし、キャラクターのファンサはミニマルに、その分今作のドラマに集中した構成の勝利。
人情味がカギの事件でありながら、そこの味付けがしつこ過ぎないのも良>>続きを読む
いつの間にか戦争をさせられて…
ダイジェスト感は否めなくも、そこかしこに影を落とす有事の人の本質。
見えているものと優先順位の差。
立場に負ける奴ほど愚かで、その呪縛から逃れられない。
ロマへの迫害描写含め、何というビターな話…
性欲加害おじさんことフロローの支配欲の庇護下で生きてきた主人公が、ヒロインを即恋愛対象と見なし、石像たちもそれを唆すのが生々しい。
その辺りの思考も込みで>>続きを読む
ドラマやキャラクターの深掘りを潔く全捨てし、平常運転を貫いた正統続編。働けど働けど変わらぬ日常の只中で、隣り合わせの死が日々の意味を深化させる。
フェイント掛け合いアクションが楽しいタイマンクライマ>>続きを読む
何だこの全身全霊生きている人は。
動力源が違い過ぎる。
悪い奴ばかりじゃないけど良い奴ばかりでもない世界を、呪わない黒い涙。
便利で邪魔で、たまにひどく暴力的な属性は誰かを形成する一部であり、でもそれそのものが彼や彼女の本質ではない。
互いを見て、互いの声を聞き、人と人とに立ち返った時に生まれる感情はシンプルなのに、壁を立>>続きを読む
「哀」の物足りなさからギャング映画としてはそんなにハマらなかったんですが、ベン・キングズレーぶちギレ映画(何だそのジャンル)として5億点。
引退したおっさんが仕事請け負うの請け負わないのと延々折衝す>>続きを読む
知性も感情もほとほと枯れ果て、愚かな執着のみで暴走する村の衆。
ひとたび走り出せば止まることも顧みることもできず、やがて倫理の警鐘は鳴ることを辞め、下される夜叉が鉄槌。
そんな有象無象の些事など意に>>続きを読む
言葉と心は足並み揃わず、満たされない隙間にHARIBO投下。
すぐに曇り、すぐに見失う「いつもいつでも」の尊さを、ツボを押さえたマッサージが、相手を想って淹れたお茶が思い出させる。
ただひとり、毎日>>続きを読む
ストリートで日々を生き抜くための共闘型タートル讃歌。最高にジャンクでカンフー。
仄暗い下水の底から誰かの存在を、自分の可能性を否定しない俺たちの”ティーンエイジ” “ミュータント” “ニンジャ” “>>続きを読む
原田監督によるいつもの、”俺の憧れるアメリカ映画”の作法でJAPANを魅せるスタイル、今作はめちゃくちゃハマっていました。
SUSHIの既成概念ブチ破って創ったカリフォルニアロールみたいな、独自の進化>>続きを読む
良くも悪くも平常運転。
原作にもある京都旅行を冒頭に配しつつ、下手に背伸びすることなくドラマ版同様に日々を重ねる。
(これは劇場版だけでなくドラマ版からの流れですが、)原作のエピソードの中からドラマ>>続きを読む
パンソリ×ボクシングというワンアイディアに賭けたにしては練り込み不足で、肝心のパンソリを取り入れた強みがイマイチ見えてこなかったのが残念。
全体的にオフビートな魅力は感じられるものの…「人里離れた山>>続きを読む
《ドキュメンタリー作家のジェニファーのもとにかかってきた、一本の電話。
それはジェニファーが13歳の頃に書いた短編小説をたまたま見つけ、書かれた内容にひどく狼狽した母親からのものだった…》
自分を守>>続きを読む
ミニマルな展開の中でキャラクターを見せていく、「入門・黒木華」。
マンガが介在し、描く・読むことで生じる関係性の推移が話を引っ張るあたりは楽しいですが、その一方で、物語るために統制された人の感情、そ>>続きを読む
芦田愛菜と宮本信子の織りなす空気感。そして「嫌なこと起きないでくれ」と思いながら観ていて、それが達成されるフィクションのやさしさに包まれた。
縁側に陽が差し込むエンディングの何とうららかなことよ。>>続きを読む
そーだった。
直近の『オクジャ』や『パラサイト』のちゃんとした印象で忘れかけてたけど、ポン・ジュノって変な映画撮る人だった。
グラフィックノベル原作ってこともあるかもしれませんが、現実離れした設定で>>続きを読む
つまりは運命に立ち向かうということだ。
戦争も差別も生活で、誰かの一途な頑張りが、誰かの気まぐれな優しさが、誰かの事実を知り伝えようとする思いが、巡り巡って紡げる言葉、繋げられる物語がある。
霧の中>>続きを読む
再鑑賞
死なない手段(酒)を絶ち、生きる意味(ピタ)に賭ける。
シュレッダーかけたフィルムを繋ぎ直したかのような、トニスコ細切れ編集の真骨頂。
緊迫感と強迫観念と衝動を煽る、煽る。
クラブのシーン>>続きを読む
家明を介在させなくても成立する話で、本国版のキービジュアルを見ても、やっぱりこれは女性2人のストーリーなんでしょう。
家明は”ペンダントそのもの”かつ、”家父長制的な男性視点そのもの”に見えた。
「>>続きを読む
再鑑賞
これ撮った時、20代?
アレハンドロ・アメナーバル天才やん。
初鑑賞時、劇場で観た際は光と影が彩るゴシックホラーとしての美しさ、強度に惹かれたんだけど、今回観直してみて「戦地に家族を送り出>>続きを読む
他人をどのように受け入れ、どのように忘れてここまで来たのか、都合良くか都合悪くか、僕等はその多くを忘れて今を歩く。
ドット落ちした時間と記憶、思い入れと繰り返し。
リンクが呼び起こす感情は過去も現>>続きを読む
やられる前にやる、ファミリーという名のコミュニティにおける内向きに強固な絆、負のサイクルから抜け出すため自らの力で切り拓いたと思った場所が、先人たちも辿った泥沼の道半ばだったetc、大枠だけ捉えればヤ>>続きを読む
表現と文化、インプットとアウトプットが人と人とを繋げ、日々を豊かにするということを、変わらず掲げてくれる松本監督。
好きなものと自分との距離を、他人のそれと比べて一喜一憂したり、自暴自棄になったり…>>続きを読む
再鑑賞
他人をコントロールしようとすることの、不埒さ、滑稽さ、残酷さが何を生み出し、自由を勝ち取ろうとする態度、反骨の精神はどこに届いたのか。
ラチェッドを責めるのは簡単で、むしろシステムの暴力性に>>続きを読む
天上天下唯我独尊
こうなりたい!とも、こうはなりたくない!ともさらさら思わない、ムーンドッグの日常の非日常感。
「主人公だから」「才能ある人だから」「ダメだけど憎めない人だから」…関・係・ないから!>>続きを読む
再鑑賞
動向と感情が絶え間なく変化し押し寄せる原作の圧力を思うとさらっと駆け足だし、クライマックスのカットバックも、情報の整理に終始した感は否めないんだけど、”熱”を掬い取ろうという気概にしっかり応>>続きを読む
死からの生。生からの死。
同じようなテーマの『アドベンチャー・タイム』湯浅監督回、「Food Chain」が陽ならこちらは陰。
無限に押し寄せる時間が流れ流され、食って食われて、奪い失う有限の時間>>続きを読む