はね

ザ・ブリザードのはねのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・ブリザード(2016年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

X-ミッションの後に観たからか…自然の脅威にひたすら畏怖しました。80万ガロンの水と、低体温症になるかもしれない環境のなかで撮影された本作…4人が乗った小型艇が波に呑まれるシーンは、手に汗握りました。3Dはまったく活かされていなかったけれど、これは4DXで観たらおもしろかっただろうなぁ…!
主人公はクリス・パイン演じる沿岸警備隊のバーニーなんですが、個人的には、ケイシー・アフレック演じるシーバートさんが好きです。分断されたタンカーで、パニックになる船員たちを先導し的確に指示を飛ばすシーバートさんがいなかったら、もっと早い段階でタンカーは沈没していただろうし。

この救助劇は、大嵐のなか小型艇で向かう警備隊、タンカーで奮闘する乗組員、港でヘッドライトを照らして待っていた住人たち…全員の協力がなければ、成されていないことだったというのが、本当…。偶然なのか、必然なのか。これこそ運命だったとしか言えない、偶然の積み重ねだと思います。

ノンフィクションなんだけどノンフィクションと思えないのは、もちろんこの運命的で感動的な救助劇もそのひとつ。そして、登場人物がとても魅力的でした。
バーニーは過去にトラウマを抱えつつも、今回の無謀とも言える救助に名乗りを上げ…
そんなバーニーの恋人であるミリアムは、おそらく当時の女性としては珍しく、男性に対して強気で勝ち気、芯の強い女性でした。恋人が死ぬかもしれない状況でも、彼女は涙を見せなかった。逆プロポーズしちゃうあたり、バーニーよりイケメンだった…!
シーバートさんはだるそうにしてるけど誰よりも冷静で誰よりも船を愛していた。シーバートさんの判断が、31名の命を救った…

ん?これ本当にノンフィクションか??
と思ってしまうような!出来すぎたキャラクター!!
でも本当にあったことなのです。
沿岸警備隊史上、最も有名で誇りある救助劇、なのに今まで日の目を見なかったのは、当事者たちの警備隊としての考え方あってのものでした。
こういう、すごい出来事って、世界中にたくさん眠っているんだろうな。でも当事者たちがすごいことをしたという認識がないから、公表されることもなく、埋もれていく。
もったいないと思うけれど、そういう考え方は尊敬します。
はね

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