爆裂BOX

呪(のろい)の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

呪(のろい)(2013年製作の映画)
3.2
日系アメリカ人マイコは自殺した母の供養の為、仲間4人と共に樹海に向うが、そこで謎の日本人ジンと出会い、やがて仲間が次々と惨殺されていく…というストーリー。
雑誌での「和魂洋才ホラー」という紹介に気になった作品です。カナダのTVMで「アイスピット・オン・ユア・グレイヴ」やSyfyでTVMを量産しているスティーブン・R・モンローが監督なんですが、舞台になっているのは日本の青木ヶ原樹海です。ロケ地はカナダの森林地帯のようですが。
母の遺体捜索とドキュメンタリー撮影を兼ねて樹海へ入ったマイコ達4人は樹海で出会った日本人ジンに母の形見と共に残された写真の場所に案内してもらうも、同級生のバカ三人が自殺者のふりをして脅かして来たり死者を冒涜する行いをしたために樹海に漂う死者の怨念により殺されていくという内容です。
ロケ地は本当の樹海ではないですが、樹海の入り口に建てられた「あなたの命はあなた一人のものではありません」という立て看板など小物類はしっかり日本語書かれてあります。「施餓鬼」や「厄払い」等の単語がポンポン出てくるのもなんか楽しいですね(笑)「幽霊」を「ゴースト」じゃなくちゃんと「ユーレイ」を発音してる所もちょっと「お!」っとなった(笑)登場する警官コンビの「ダレダ!」「ココハモノオトバカリダ」「カエレ!カエレ!」という「片言の日本語も(笑)あの警官の描写は凄いなあ。自殺隊をシーツとロープでぐるぐる巻きにして荷物みたいに雑には拳、主人公達暴れるからってスタンガン押し当てて気絶させて死体置き場に不当に拘束するし、騒いだら「ウルサイ!」とか「お前らには施餓鬼より厄払いが必要だ」とか言っちゃうし(笑)これ見た向こうの人が日本の警官はあんな感じだと勘違いしたらどうしよう(笑)しかも散々高圧的に接してたのに襲われたら「オネガイ!タスケテ!」とか言っちゃうし(笑)でもあの警官なんで襲われたんだろう?そしてあんな樹海のど真ん中にある派出所とかあるのかな?
ストーリーは入ってはいけない場所に踏み入った若者達が次々と惨殺されていくというスラッシャー映画の定番パターンですが、彼らを襲うのは悪霊です。殺し方も木の枝で喉貫通や髪の毛で四肢引き千切り等結構グロイです。主人公の友人女子が足解放骨折する所は痛々しいグロさがありましたし、そこにウジがびっしり湧いてる所気持ち悪かったな。物理攻撃が主なのはやっぱり向こうの人が考える幽霊だからでしょうか。白装束の少女の幽霊とか終盤登場する母親の幽霊とか伽椰子か貞子意識してますね。終盤次々木からぶら下がる首吊りしたいから抜け出してくる幽霊たちがゾンビ風なのはご愛敬という感じか。
一緒に行動している仲間の姿が認識できなくなるというか同じ場所にいるけど別次元に連れて行かれる様な感じの演出は面白いですね。
主人公のマイコが最後の方まで何故か何故かハロウィンの日に供養を行う事にこだわっていた設定は謎でしたね。とにかく母親のいる場所に向う事優先して、仲間もバラバラにはぐれてる状況なのに…初対面なのにマイコに尽くすイケメンカイルに説得されて諦めてたけど。巻き込まれた友達達が一番可哀想だったなぁ(イタズラ野郎達は除く)
主人公マイコ演じたケイトリン・リーブ(ケイトリン・ウォン)はスタイル良くて美人でした(リメイク版「トータルリコール」でオッパイ三つある娼婦演じてるんですね)謎の日本人ジン役のヒロ・カナガワさんが唯一日本人キャストだけど、ほぼ英語喋ってて日本語話すシーンは僅かですね。警官二人は当然日本人ではなく一人はアジア人でもう一人思いっきり西洋顔してます(笑)
終盤で主人公が思い出す事実もあまりうまくかみ合ってないというか意味あったのか疑問。母親の幽霊の目的も何が目的なのかわからないですね。殺し損ねた主人公殺したかったのかな。
樹海のジメジメとしたでもどこか神秘的な雰囲気は良かったですね。木に貼りつけられたメモなどは結構不気味でした。でも、シリアスで不気味な雰囲気で描こうとしてるけど日本人としては上記の警官の片言とかでどうしても笑っちゃう(笑)
ラストも結局ジンによって戻されたという事か。
まあ、オススメするほどの作品ではないかもしれませんが、間違ってる日本観等はある意味必見かもしれません(笑)珍作ホラー好きならオススメですね。