アクセルガツキー

狙った恋の落とし方。のアクセルガツキーのレビュー・感想・評価

狙った恋の落とし方。(2009年製作の映画)
3.4
初見の時は軽妙で素晴らしく、脚本が抜群に巧く優しいと思ったのだけど、今見ると結構重苦しい。
でもやっぱり台詞が巧い、イギリス風のちょっと苦味の効いたユーモア、フランスシネマのような粋な会話。話としては、「マイノリティ」と出会い、部分的には理解しつつもやはり一緒にはいられないという挿話と、誰も彼も滑稽なくらい経済に縛られているという挿話が交互にでてくる感じ。これが当時の中国社会の気持ちにどんぴしゃで合っていたのだろう。
(正直、少数民族への描き方は政治的に問題あると思う)
葛優は相変わらず素晴らしい。この朴訥とし飄々とした味を持ちながらリアルな生活感と人としての格好良さを表現ができる俳優は、少なくとも僕は本邦では知らない。