ダイセロス森本

マギーのダイセロス森本のレビュー・感想・評価

マギー(2015年製作の映画)
4.7
新しい視点から描かれるゾンビ映画、オーストラリアでチラ見したんですが、これは家でゆっくり見たい…と先送りしていた作品です。家で見て正解だったなあ。

さて、従来のゾンビ映画は、「大勢のゾンビ」が、「ひとり又は主人公を入れたグループ」に対し追いかけまわる。という形が実に多かったと思います。これは、「ひとりの父親」が、「ゾンビウイルスに感染してしまった娘」をどう見送るのか。というストーリー。
つまり、「ゾンビになる過程」が描かれております。というか、過程が本編。

最初はゾンビウイルスの恐ろしさを見せるために少々脅かしてきますが、そこからはシリアスなストーリー。アーノルド・シュワルツェネッガーも、今回はその筋肉を使わず、表情と愛で演技をするのです。

この、シュワルツェネッガーの悲しそうな表情が、年を重ねて更に悲しそうで…もうその表情だけで泣ける…。

娘は自業自得なのですが、まあそれがこの家族の愛を再確認できたのではと思います。親子愛だね。


想像していなかったラストに胸をうたれ、良いところで終わらせる作り方が素敵。植えた花を見て喜ぶ娘に、父はどんな姿を見たんだろう…。愛する妻なのか、元気だったころの娘なのか、それとも…。

静かに涙が流れる作品。ゆっくり見てほしいです。