うとうと

ブルックリンのうとうとのレビュー・感想・評価

ブルックリン(2015年製作の映画)
4.3
1人の"女の子"が、凛と美しく自律した"大人の女性"へと成長していく物語。

アイルランドの片田舎の食料品店で、日曜日だけのレジ係として働くエイリシュ。客の身分しか見ていない性悪店主にもほとほと嫌気がさしていた。そんな時、姉のローズの勧めでブルックリンに渡ることに。

渡米する際の船の中でひどい船酔いに苦しむエイリシュを同室の女性が介抱する。彼女は既にアメリカで暮らしており、船での過ごし方や入国の手解きをしてくれる。
無事にアメリカの地を踏みしめ新たな生活を始めるも、百貨店の仕事にも慣れずホームシックになってしまう。

そんな彼女を変えたのが、イタリア系移民のトニーとの出会い。ダンスパーティーで声を掛けられるも警戒心たっぷりのエイリシュ。しかし互いに惹かれ合いこの先も2人で生きていくことを予感していた。そこへ故郷アイルランドより訃報が届く、、

一時帰国したエイリシュ、久々に再会した母親や親友そしてエイリシュに想いを寄せる男性。故郷の心地よさや懐かしさに、次第にブルックリンに戻ることに対して後ろ向きになっていく。

しかし、かつて働いていた食料品店の店主に再会したことで自分の居場所を思い出す。"忘れてた、ここはそういう町だった。私の名前は、エイリシュ・フィオレロ"というセリフが印象的。

アメリカへ戻る船の中、アイルランドから単身アメリカへ渡る少女に助言をするエイリシュ。その姿はかつて自身がアメリカへ渡る時に出会った女性のように自律した大人の女性だった。

自分の進む道を自分で選択し、その選択に責任を持ち、自分で人生を切り開いていくエイリシュの姿はとても素敵で憧れました。

エイリシュの外見の変化に関しても、メイクもせず地味な服装な少女から、メイクを覚え鮮やかな服を着て洗練された女性になっていく過程を丁寧に描いており、出てくる衣装全てがかわいかったです。

とても好きなタイプの1本でした!
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