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ゴースト・イン・ザ・シェルのKUBOのレビュー・感想・評価

4.0
[吹替版完成披露試写会を見ての追記]

田中敦子さん登壇の吹替版完成披露試写会に行って来たので、吹替版の感想を追記します。

まず「吹替版、最高です!」

95年のアニメ版「ゴースト・イン・ザ・シェル」のオリジナルキャストによる吹替版。草薙少佐の田中敦子さんは当然だが、バトーの声が大塚明夫さんだと「あ〜、攻殻だ〜」って、とっても落ち着くんです。山寺宏一さんの声だと、ジャッキー・チェンの偽物みたいなトグサもちゃんとトグサに思えるから不思議。

たけしの声だけがそのまま(最初から日本語をしゃべっているから)。でも、みんな日本語での会話になって、字幕版で「一人だけ日本語で変」と言われていたたけしとの会話が自然になった。

ただひとつの欠点は、桃井かおりの声が声優さんの吹替になって、ここだけ違和感があること。桃井かおりは英語で演技していたからなのだが、ご本人に日本語での吹替をしてほしかったな〜。

でも、アニメからのファンには、圧倒的に「吹替版」をオススメします。見るなら「吹替版」!





3月10本目の試写会は「ゴースト・イン・ザ・シェル」。

冒頭の制作会社のネームで「え? 中国資本?」。日本のコンテンツの映画化なのに、ちょっとショック。いきおい、そのほとんどが香港ロケなんだけど、元々が日本というよりはそんな感じだったから「ま、いいか」と。ARだらけの香港の街は、都市部も、ダウンタウンも、いかにも「攻殻」といった雰囲気だし、すでに映像が公開されている、少佐がビルの屋上から落下する、あのお馴染みのシーンもしっかり再現されていて、視覚的には実写化バッチリです!

ストーリー的には「人形使い」をベースに作った気がするけど、「電脳」も「義体」も、当たり前の世界で展開するサイバー捜査を描いてきた「攻殻」の中で、今回は「草薙素子」自身の「始まりの物語」を描いているので、中盤以降、期待するものとはズレてしまった感もある。「その辺のところは触れなくていいんだよ」的な? 「バイオハザード ザ・ファイナル」最初にやってるみたいな? ヒットしたら続編作る気かな?

草薙素子役は、スカーレット・ヨハンソン、まずまずでしたよ。日本人でやってもらいたかったけどね。バトーが外人なのはいいとして、トグサが中国人。そして、そして、荒巻課長のビートたけしがカッコいい! 荒巻課長って、こんなにカッコよかったっけ?(いいえ)って感じです。まさに荒巻課長、アウトレイジ・バージョン! 「キツネを狩るのに、ウサギに追わせるな!」 カッコいい!(^^)

とりあえず、アニメのファンの人も「まあまあ」って言えるくらいの実写化にはなっていると思います。「攻殻」を知らない人たちは「マトリックス」と「ブレードランナー」を足して2で割ったみたいな感じで楽しんでもらえるんじゃないかな?

ただ「タチコマ」が出てこなかったのは残念! きっと次回かな?(あれば)

P.S. 今日の試写会、よみうりホールだったんだけど、2階を封鎖して全員1階で見なさいと。どうやら担当者がキャパシティを間違えて当選ハガキを半分しか送らなかったらしい。担当者、責任問題だろうな。
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