「ゴースト・イン・ザ・シェル」を観た。
原作も押井守のアニメも全く知らなかったけど、北野武がスカーレット・ヨハーソンをどういじるのか観たくて本作を鑑賞。
北野武があまりに真っ当すぎて拍子抜けした他はすごく面白かった。
ここからは作品よりもスカーレット・ヨハンソンについてのレビューなので、興味のない方は読み飛ばしてください。
SJの魅力は何よりも外と内のアンバランス。肉体の過剰さとうらはらの内面の優しさ。敵(男たち)を鎮圧する肉体と何もかも包み込む内面。
内面の魅力に気づいたのは、 「her 世界でひとつの彼女」。herの演技でSJの虜になった。心を宿したAIがとてもリアルに感じられた。
それにしても、声は肉体か内面か?声がもたらす官能は肉体そのものだ、AIのカタチがスマホのようにそっけないだけにかえってSJの肉体が立ち上がってくる。声の演技で十分に肉感的な存在感がある。
ひるがえって、ゴースト・インザ・シェルはどうだろう。義体化された主人公の肉体はSJの肉体の模倣だ。美しい皮膚を模して造られたシェルに包まれた心の痛みはすごく感じられたけど、身体性は奪われてしまったように思う。